10月31日に11月のARAMCO価格が発表されましたので次の通りご報告致します。
11月CP
プロパン $ 635 /MT(前月比+$10 )
ブタン $ 630 /MT(前月比+$10 )
アラビアンライト原油の10月1日~31日の平均価格は$76.180/BBLです。
尚、11月CPのアラビアンライト原油熱量換算比は、プロパンで101.7%、ブタンで102.3%となっております。
過去のCP推移はこちらをクリックしてください。
10月31日に11月のARAMCO価格が発表されましたので次の通りご報告致します。
11月CP
プロパン $ 635 /MT(前月比+$10 )
ブタン $ 630 /MT(前月比+$10 )
アラビアンライト原油の10月1日~31日の平均価格は$76.180/BBLです。
尚、11月CPのアラビアンライト原油熱量換算比は、プロパンで101.7%、ブタンで102.3%となっております。
過去のCP推移はこちらをクリックしてください。
上旬: BRENT: $73.56 ⇒ $79.40 WTI: $69.83 ⇒ $75.85
上昇要因:レバノンにおいてヒスボラの指導者らが殺害されたことに対する報復として、イランがイスラエルに向けて約180発のミサイルを発射し中東情勢に緊張が走ったこと、イランによるイスラエルへのミサイル攻撃を受け、バイデン米大統領がイスラエルのイラン石油施設への攻撃を仄めかす発言をし原油供給の懸念が高まったこと、OPECプラスが自主減産幅縮小時期を変更せず現行の減産計画の維持を決めたものの、一部再延期の予想も出回っていたことなど。
下落要因:EIAが発表した週間米石油在庫統計において、原油在庫が事前予想の若干減少に反して増加したことなど。
中旬: BRENT: $79.40 ⇒ $74.29 WTI: $75.85 ⇒ $70.56
上昇要因:大型ハリケーンが米国フロリダ州に上陸し停電や洪水が発生、石油関連施設の操業に影響があると見られたことから国内原油先物相場が上昇したこと、イスラエル軍がイスラム組織ハマスの最高指導者シンワール氏を殺害したと発表し、中東情勢の悪化が懸念されたことなど。
下落要因:中国当局が先週発表した経済政策が物足りない内容だと市場で受け止められ、中国でのエネルギー需要が盛り上がるとの期待が後退したこと、イスラエルのイランに向けた攻撃は石油や核の関連施設ではなく軍事施設とする旨の示唆があり、原油供給を巡る懸念が後退したことなど。
下旬: BRENT: $74.29 ⇒ $72.16 WTI: $70.56 ⇒ $68.61
上昇要因:イスラエル軍がイランのテヘラン近郊ミサイル製造施設などに攻撃を実施したこと、レバノンで攻撃の対象を広げていることなど。
下落要因:一方でイスラエル軍のイラン軍事施設への「精緻な攻撃」は石油関連施設を対象外としたことから事前予測に対し抑制的という見方ができたこと、イスラエル政府がガザ停戦交渉を巡り、交渉団トップである対外特務機関モサドのバルネア長官をドーハに派遣すると発表し中東情勢の緊張緩和が示されたこと、米国原油消費について、夏のドライブ需要と冬の燃料需要が増える間の「不需要期」とされ、原油先物相場の上値を重くしていることなど
上旬: CP先物 $632 ⇒ $640
中東サプライヤーのスポット供出余地はなく売り手が減少、また原油と同様に中東情勢に大きく影響を受けたことからマーケットは上昇。
一方で中国の国慶節による連休による買い手減少や中東情勢悪化による原油並びにフレートの急騰で経済性が乱高下する環境であったことから、成約は限定的であった。
中旬: CP先物 $640 ⇒ $622
インドからの需要が落ち着き、また週末にかけてトレーダー勢からの中東FOBの買い気も聞こえてこない状況であった。
中国PDHのマージンは縮小しており燃料用需要の大きな改善が見られないため、中国勢からの買い気も引続き限定されていた。
下旬: CP先物 $622 ⇒ $625
中国勢の買い気は強まらず、また売り手の数が買い手の数を上回る日もあったことから当初は下落基調とみられていた
一方で日韓勢は需要期に備えて購入余力があるという見方も聞かれた。最終的に確定した11月CP価格は市場予想よりも高かったとみられる。
10月31日(木)に発表された11月CPは、プロパン$635/トン(前月対比+$10)、ブタン$630/トン(前月対比+$10)。
10月の原油価格について、9月末のヒズボラ最高指導者ナスララ師殺害、10月はじめのイランからイスラエルへの直接ミサイル攻撃、その後に続く報復の懸念から一時価格が高騰した。月の後半にはハマス最高指導者シンワル氏の殺害、イスラエルからイラン軍事施設への攻撃が発生したものの、原油供給危機まで繋がる懸念は徐々に弱まっていき、また中国・米国の需要も後退の懸念が引続き聞かれおり原油価格は徐々に落ち着きを見せていった。
10CPは原油価格の動向に連動し一時上昇傾向が見られた一方、買い気は強くなく上昇幅は限定的であった。後半にかけても供給サイドでSPOTテンダーは発表されず、11CP予測は徐々に落ち着きを見せていき前月対比マイナスとなる予想もあったが、最終的には市場よりも少し高く11CPが確定した。
11月サウジ積カーゴはブタン積数量制限がかかりブタンの供給は制限されるものの、石化用ブタン需要が伸び悩んでいるというマーケットの声もあり大きなブタン供給懸念の環境にはなっていない。CPのプロパン-ブタン格差は前月維持のブタン対比プロパンが+$5/MTとなった。
・中東情勢の特記事項としては、9/27のヒズボラ最高指導者ナスララ師殺害、10/1のイランによるイスラエル直接攻撃から戦火拡大の懸念が高まっていた。その後イスラエル軍からはレバノンを拠点とするヒズボラへの攻撃、国連軍に対する攻撃、ガザにおけるハマス最高指導者シンワル氏の殺害とニュースが続いていたが、その一方で10/26のイスラエル→イランの軍事施設攻撃は予想に反して最低限の攻撃で手打ちとしたとの見方が強く、また10/27にはドーハにてイスラエル-ハマスの停戦交渉が再開されたことから、情勢のさらなる悪化が急激に進む可能性は弱まっているとの印象が強い。一方でイランはハメネイ師がイスラエルに対する再報復を仄めかしており、動向には引続き目が離せない状況。
・アジアのマーケットにおいては、供給余力がある状況ではないものの大きな需要増も聞かれずマーケットの急騰・急落は発生していない。これからアジアでは冬の需要期に突入していくため天候による需要変動には注視が必要。極東は今冬、ラニーニャ現象により平年より寒い冬が予想されており、暖冬であった昨年と比較し需要増に振れる可能性が十分にある。
・パナマ運河の水位は引続き安定しており足元大きな制限もかかっていない。米国積カーゴの濃霧発生による遅延や大洋の天候状況による動静遅延に起因する需給タイトの可能性は考えなければならないものの、フレートマーケットが急騰する見込みは現状少なく、カーゴ供給量に対して船影が少なくなる状況は発生しにくいものとみられる。