<2024年12月17日>
【原油マーケット】
(/bbl) | 週初 | 週終 | +/- | |
---|---|---|---|---|
BRENT | $72.14 | $74.49 | $2.35 | ↑ |
AL | $73.47 | $75.16 | $1.69 | ↑ |
WTI | $68.37 | $71.29 | $2.92 | ↑ |
↑欧州連合(EU)は今週の大使級会合で、ウクライナ侵攻を続けるロシアに15回目の制裁を科す方針で基本合意し、また、米国がトランプ次期米大統領の就任を前に、ロシアに対する追加制裁を検討中だと報じたことで、供給不安が強まったこと。
↑英仏独3国は国連安全保障理事会に対し、イランが今後核兵器を入手するのを防ぐ目的で、必要であれば対イラン制裁の復活を発動する準備ができていると伝えた。イランとロシアに向けた新たな制裁が発動されれば、両国からのエネルギー供給混乱につながりかねないとの見方が広がったこと。
↓国際エネルギー機関(IEA)は12月の月報で、OPECプラスが月初に協調減産方針の来年3月までの延長を決定したもかかわらず、2025年の国際市場の石油需給について供給が需要を上回るとの見通しを示し、供給過剰懸念が再燃したこと。
→先週発表された米消費者物価指数(CPI)では、インフレの根強さが一部で示唆されたものの、米連邦準備制度理事会による0.25%の利下げ決定は市場に織り込み済み。金利低下が景気を支え、エネルギー需要が促されるとの楽観的な見方から、相場の下値は抑えられたもようであること。
【LPGマーケット】
(/MT) | 限月 | 週初 | 週終 | +/- | |
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CP先物 P | 1月 | $616.99 | $616.11 | -$0.88 | ↓ |
CP先物 B | 1月 | $612.99 | $612.11 | -$0.88 | ↓ |
米国先物 P | 12月バランス | $396.94 | $401.17 | $4.23 | ↑ |
中東マーケット
↓原油価格に反して僅かに下落。
→サウジアラムコからの1月積み日発表前につき、1月の中東輸出量は流動的であるものの、他中東サプライヤーからのスポット供出余力が聞こえ、供給過剰感が醸成されている。
↓フレート相場が強含んだことで、FOB購入意欲が押し下げられている。また、LPG輸出量中東1位のサプライヤーが来年第一四半期の定修は予定していないとの情報があり、期先の潤沢な供給が想定される。
米国マーケット
相場週間平均:$401.17米国指標の情報はこちら(会員専用)
↑プロパン・ブタン共に上昇。
↑先週EIAが発表した米国プロパン在庫は、▲2.9m bbl取り崩しにて93.1m bblでの発表。事前市場予想の2倍弱の取り崩し量となった。
↑米国プロパン価格は概ねWTI値動きと連動し、クラックは40%台にて推移する傾向であるが、先週はLPG価格の上昇から一時クラックが50%以上となる瞬間がみられた。
↑米国生産量は好調であり、足元の1日当たりの生産量は今年の平均を上回っているが、濃霧による荷役遅延が極東着遅延懸念へとつながる可能性がある。
↓輸出量も堅調であることから米国-極東マージンなりのサプライヤーマージンにて推移。期先数週間は米国国内気温が例年より高い予報であるため、内需増加の懸念は低いとみられる。
欧州マーケット
↑プロパン・ブタン共に上昇。
↓年内の欧州気温は穏やかな気候となる予報であり、気温低下によるプロパン需要の増加は期待薄。
↑11月の欧州 LPG 輸入量は今年最大値を記録。天然ガス価格が反転したことに加え、高炉燃料向けのガス需要が増加したことが背景。堅調な工業用需要が欧州の LPG 需要を下支えするとみる。
アジアマーケット
↓プロパン・ブタン共に下落。
↓アセスメント絶対値の下落が続いているため、中国PDH勢のコスト減→マージン回復→購入機会増を誘発するサイクルも考えられたが、1-2週間の値動きで購入に踏み切る判断には至らず、石化向けの需要が低迷。
↓中東情勢悪化を受けて、在庫を潤沢に保つ方針にあったインド勢であるが、足元の緊張感緩和から、期先数か月において見込んでいた需要量からの追加需要はみえていない。
フレート、バンカーマーケット
(/MT) | 週初 | 週終 | +/- | ||
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フレート | 中東-日本 | $54.83 | $59.58 | $4.75 | ↑ |
バンカー | LSMGO | $655.75 | $677.00 | $21.25 | ↑ |
フレートマーケット
中東船市況について、インドからの積み日間近での船需要とDampier・Yanbu積み等イレギュラーな積み地向けの用船に対するプレミアムが市況感を押し上げた。今週サウジアクセプタンスが発表された後、1月積み商戦が本格化し年末に向けて成約が重なれば上昇基調が形成される局面があると考える。米国船市況は、用船者が年内のポジションの手仕舞いを進め、成約が進んだことと、用船可能とされていたものの自社カーゴ向けに割り当てられたことにより船供給量が一時的に減少したように見えたことにより、米国市況を上げた。今週に入り成約の波は落ち着き、動静が明らかになった船の船主による売り唱えが増加することが想定されるため、米国市況は天井を打っていると考える。
12月16日時点におけるAEフレート想定値は、P 9,800円/t、B 8,700円/t。
バンカーマーケット
バンカー相場(LSMGO)は $655.75で始まり、 $677.00で週を終えた。
先物マーケット
(/MT) | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
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CP先物 P | $635.00 | $616.11 | $614.00 | $600.50 |
CP先物 B | $630.00 | $612.11 | $621.00 | $595.50 |
米国先物 P | $404.43 | $407.03 | $408.99 | $399.87 |
【価格推移】
サウジCP推移表
2024年12月CPは以下の通りです($/MT)。
プロパン$635/MT(前月比±$0)、ブタン$630/MT(前月比±$0)
A/L (11月1日~29日平均、$74.740)の熱量換算比は、P: 103.6% (前月比+1.9%) 、B: 104.2% (前月比+1.9%)。
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