11月28日に12月のARAMCO価格が発表されましたので次の通りご報告致します。
12月CP
プロパン $ 635 /MT(前月比±$0 )
ブタン $ 630 /MT(前月比±$0 )
アラビアンライト原油の11月1日~29日の平均価格は$74.740/BBLです。
尚、12月CPのアラビアンライト原油熱量換算比は、プロパンで103.6%、ブタンで104.2%となっております。
過去のCP推移はこちらをクリックしてください。
11月28日に12月のARAMCO価格が発表されましたので次の通りご報告致します。
12月CP
プロパン $ 635 /MT(前月比±$0 )
ブタン $ 630 /MT(前月比±$0 )
アラビアンライト原油の11月1日~29日の平均価格は$74.740/BBLです。
尚、12月CPのアラビアンライト原油熱量換算比は、プロパンで103.6%、ブタンで104.2%となっております。
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上旬: BRENT: 73.10 ⇒ 71.83 WTI: 69.49 ⇒ 68.04
上昇要因:OPECプラスは12月に予定していた有志国による自主減産の縮小を1カ月先送りすると発表し、供給懸念の懸念が高まったこと、イランがイスラエルへの報復攻撃の準備を進めていると報じられるなど、中東問題が原油供給のリスクになりかねない状況が続いていることなど。
下落要因:米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間の石油在庫統計で原油在庫とガソリン在庫が市場予想に反し増加したこと、米国にて、原油については夏のドライブ需要と冬の燃料需要が増える間の「不需要期」であること、需要国の中国も市場が期待していた小児の拡大につながる政策が打ち出されなかったことなど。
中旬: BRENT: 71.83 ⇒ 72.81 WTI: 68.04 ⇒ 68.87
上昇要因:イランがイスラエルへの報復攻撃の準備を進めていると報じられるなど、中東問題が原油供給のリスクになりかねない状況が続いていたこと、中国で対外貿易の促進を目的とした一連の政策措置を発表し、輸入企業に対する資金調達支援強化や農作物の輸出拡大を目指し、エネルギー製品の輸入を支援すると発表したことなど。
下落要因:中国で発表された消費者物価指数(CPI)の伸びが縮小したほか、同卸売物価指数(PPI)も低下。中国経済の不振が続くとの見方が意識されたこと、カリブ海でハリケーン「ラファエル」が発生し、石油関連施設が多い米メキシコ湾岸に近づく可能性があるとされていたものの、勢力を弱め、原油供給への影響は限定的であったことなど。
下旬: BRENT: 72.81 ⇒ 72.94 WTI: 68.87 ⇒ 68.00
上昇要因:米国政府はウクライナによる米国製の兵器・地雷を使用したロシア領内への攻撃を許可したこと、また、ウクライナは米国・英国製の巡航ミサイルをロシアに向けて発射し、戦争緊張感が高まっていること、ロイター通信によると、OPECプラスは12月1日開催の会合で自主減産の縮小を再び先送りにする見通しが強いことなど。
下落要因:長期的目線で見た中国の景気先行き懸念や米国でのトランプ次期政権の規制緩和等で原油生産が増加する見方が強く、中長期的に見れば需給は緩むとの観測が相場の重荷になっていること、国際エネルギー機関(IEA)が公表した11月の石油市場月報は、来年の世界の石油市場で供給が需要を日量100万バレル以上上回るとの見通しを示し、供給過剰が意識されていることなど。また、イスラエルとイラン武装組織ヒズボラが1年超に及んだ戦闘の停止で合意したこと。
上旬: CP先物 $625 ⇒ $622
一般的にフレート価格の上昇はFOB相場を下落方向に作用させるが、フレート上昇幅が数ドルに留まり、2025年のタームFOB売買について、中東サプライヤーはFOBでの販売を減少させる傾向としていることも上昇ムードを醸成させやすくしている。市場ではサプライヤーから12月積み出しブタン付きカーゴに対して販売応札があり、また、インド勢から購入応札が発表され、プロパンブタン格差がない状態であった。
中旬: CP先物 $622 ⇒ $627
サプライヤーが12月積みブタン付きカーゴを2カーゴに対して販売応札を発表し、供給猶予感が感じ取れた。また、極東価格とCPの値差が縮まり、ターム購入者は転売を検討しやすい環境にあり、売り手の声が強まった。
サウジアラムコからプロパン出荷量が限定されるような動きが見られ、プロパン価格の下支え要因。
下旬: CP先物 $627 ⇒ $620
原油上昇と極東価格の上昇を背景に中東価格も上昇。サウジアラムコが12月積みの積み日通知を出しており、ブタン数量に制限をかけていることが伝わった。
また、カタールがブタン付きスポットカーゴに対する入札を実施したことから、ブタン余剰感が増長し、プロパンブタン格差が更に拡大した。
11月28日(木)に発表された11月CPは、プロパン$635/トン(前月対比+$10)、ブタン$625/トン(前月対比+$10)。
11月の原油価格について、要所要所の上下要因はあるものの、11月を通してWTIは$70前後、BRENTは$70台前半の範囲内での推移であった。
供給面では、OPECプラスが12月からの段階的な減産縮小を1か月延長したことと、ノルウェーのKarsto製油所で停電が発生し、供給ひっ迫懸念があったものの、イスラエルがイランへ石油・核施設を避けた限定的な攻撃を続けていたものの、11月末にイスラエルとヒズボラが1年超に及んだ戦闘を停止したことなど、地政学的リスクは限定されてきており、原油価格の上値を抑えた。
12CPはPB共に11CPと同価格での発表となった。定修やマージン縮小よる中国PDHの稼働率低下や極東需要減退を受け、極東価格が11月をかけて下落する中、中東並びにアフリカサプライヤーからのスポットカーゴ販売入札も夫々複数回行われ、月中こそ需給緩和感が醸成されていたものの、サウジアラムコは一部カーゴをプロパンからブタンへ品種変更の打診をしており、極東が需要期入りしているにも拘らず、サウジアラムコのプロパン供給がひっ迫していることが価格を下支えする要因となった。以上を踏まえて、市場ではプロパンブタン格差が前月対比拡大するものと予想されていたものの、格差は+$5のままでの発表であった。
・昨年10月パレスチナのイスラム組織ハマスがイスラエルに大規模攻撃を仕掛け戦闘が続く中、イスラエルはハマスを支持する勢力を排除しようとレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラとも交戦を行っていたが、仲介する米国のバイデン大統領が60日間の停戦を合意させた。一方で、停戦合意発表前にイスラエルのネタニヤフ首相はガザでの戦闘を継続し、敵対するイランへの対応に集中するとの主張があり、また、バイデン首相はカタールにドーハのハマス拠点の閉鎖を求めたとの報もあり、ハマス孤立が一段と深まっている。この一時停戦を恒久停戦に向けた足がけとなる味方もあれば、一方で小休止にしか過ぎないという見方もあり、イスラエルのネタニヤフ首相はヒズボラが合意内容を破ることがあれば再攻撃すると発言している。
・中国LPG需要について、足元のナフサ高在庫と需要減によって、ナフサ/LPGは縮小傾向にあったものの、期先数週間でナフサクラッカーが複数立ち上がる見込みで、ナフサタイトになることが想定されるため、LPGのナフサ代替での需要が上昇する見立てがある。また、定修によって中国PDHの総プロパン容量に対して25%が不稼働となっており、11月末には稼働率も63%まで下落し、今年の4月前半以来の下落を見せている。12月前半までに複数のPDHが製品生産を再開するため、需要は回復を見せるとの見方が強い。
・北半球需要期に伴い米国からの輸出量は増加。MB自体も上昇基調となるものの、生産量が増加する中、輸出容量にキャップがかかることでカーゴひっ迫感醸成されやすく、ターミナルフィーが上昇しやすい。更なる上昇要因としては昨年に見た米国寒波に伴う米国内需要の増加で輸出量に更なる制限がかかることが挙げられる。
・船舶需給について、前年に見たパナマ混雑が見られず、船供給量が増加。25年後半まで米国輸出量に大きな増加は見込まれず、中東も減産幅縮小を1か月ずつ先送りにしていることから、米国・中東共に短期間での輸送需要増加が見込まれていないため、短期的には下落要因が強いと想定する。