<2025年3月3日>
【原油マーケット】
(/bbl) | 週初 | 週終 | +/- | |
---|---|---|---|---|
BRENT | $74.78 | $73.18 | -$1.60 | ↓ |
AL | $78.30 | $78.03 | -$0.27 | ↓ |
WTI | $70.70 | $69.76 | -$0.94 | ↓ |
↑米国財務省はイラン産石油の販売と輸送に関与した30以上の取引業者、タンカー運航業者などを対象に新たな制裁を科す方針を発表し、供給不安が台頭したこと。
↑米石油大手シェブロンがベネズエラで事業を行うための許可を3月1日をもって撤回すると明らかにし、供給混乱への警戒感が高まったこと。
↓米民間有力調査会社が発表した2月の消費者景気信頼感指数は98.3と、前月(105.3=改定値)から大幅に低下。市場予想(102.5=ロイター通信調べ)も下回った。一方、ドイツ連邦統計局が発表した2024年通年の実質GDP確定値は季節調整済みで前年比0.2%減となり、2年連続のマイナス成長が確定し、エネルギー需要鈍化への懸念が浮上したこと。
↓原油在庫は前週比230万バレル減(事前予想260万バレル増)となったものの、ディスティレート在庫が前週比390万バレル増と、市場予想150万バレル減に反して積み増し、ガソリン在庫も前週比40万バレルと増加し、石油製品相場の下落が原油相場を圧迫したこと。
↓BPはOPECの中でサウジアラビアに次ぐ第2位の産油国であるイラクの北部にあるキルクーク石油・ガス田の再開発に向け契約を結んだと明らかにし、一部のOPEC加盟国の供給が拡大するとの観測がでたこと。
↓トランプ米大統領が予定通りカナダ、メキシコからの輸入品に25%の関税を課す方針を明らかにし、中国には、2月4日に発動した10%の追加関税に加えて10%を上乗せすると表明し、トランプ米政権の関税発動が世界経済の減速につながり、エネルギー需要の後退となる観測がでたこと。
【LPGマーケット】
(/MT) | 限月 | 週初 | 週終 | +/- | |
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CP先物 P | 4月 | $593.50 | $594.00 | $0.50 | ↑ |
CP先物 B | 4月 | $583.00 | $584.00 | $1.00 | ↑ |
米国先物 P | 3月 | $471.51 | $488.44 | $16.93 | ↑ |
中東マーケット
→横ばいの値動き。
↓現物市場にて3月積み出しFOBの売り唱えが複数聞こえていたものの、先週中盤からFOBの売り手が船確保に動いたことから、FOB商戦は減退。
→ブタン付きカーゴの売り手が殆どであったが、LPG/Naphthaの格差拡大から極東でのブタン需要が付いたことから、C3/C4格差を維持したまま、3CPは$615/$605での発表となった。
米国マーケット
相場週間平均:$488.44米国指標の情報はこちら(会員専用)
↑↓プロパンは上昇し、ブタンは下落。
↑先週EIAが発表した米国プロパン在庫は、事前予想より減量幅は少なく、▲3.80mil bbl取り崩しの51.5mil bblにて発表され、昨年同時期と同等、一昨年の85%の在庫量での発表となった。
↑前週までターミナルフィーは米国-極東格差なりでの推移であったものの、2月最終週時点の供給量日数換算は一昨年が44日分、昨年が40日分であったのに対し、今年は34日分と減少しており、プロパンの相対的な強さを牽引している。
欧州マーケット
↓↑プロパンは下落し、ブタンは上昇した。
↑ロンドンでの業界イベントのため、成約数は限定されているものの、3月後半は欧州着のカーゴが減少すると予想されており、供給タイト感からマーケットは上昇が想定される。
↓ブタンについて、ナフサ対比の格差はやや拡大傾向にあるものの、製品原料用需要の増加は見られていない。
アジアマーケット
↓プロパン・ブタン共に横ばいで推移。
↓PDH需要の回復を見込んで現物プレミアムがやや上昇。中国勢からの購入入札も複数聞こえたものの、燃料用途LPG需要期が徐々に終わりに差し掛かっていることから、地合いは週を通して弱含んだ。
↑前々週から欧州価格が上昇傾向にあり、米国品が欧州に流れ込んでいたことから、極東への供給量は多くない状況と見られる。
フレート、バンカーマーケット
(/MT) | 週初 | 週終 | +/- | ||
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フレート | 中東-日本 | $46.25 | $45.00 | -$1.25 | ↓ |
バンカー | LSMGO | $681.50 | $671.25 | -$10.25 | ↓ |
フレートマーケット
米国東部の低気温が長引いたことで内需が強く、米国在庫が減少しMBを下支えしていることから、米国-極東格差が改善しない状況下、船商戦は4月積みへ移行。先週初めはロンドンでの業界イベントもあり、成約数が限られていたことから、物理的な供給量も積み重なり、センチメントとしてはやや下落の局面であったものの、週後半は4月月初積み向けの成約が続き、市況感は改善。一方で、極端な船腹タイト感はなく、ファンダメンタルの地合いは強くない。
中東商戦について、先週3月サウジアクセプタンスが発表された後、インド勢・サプライヤー系トレーダーからの船需要も聞こえ、3月上旬積み向けには一時上昇センチメントが形成されたものの、3月中旬以降船供給が積み重なり、足元は$45前後のマーケットと、中東も上値が抑えられる環境が続くと想定。
3月3日時点におけるAEフレート想定値は、P 9,500円/t、B 8,400円/t。
バンカーマーケット
バンカー相場(LSMGO)は $681.50で始まり、 $671.25で週を終えた。
先物マーケット
(/MT) | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
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CP先物 P | $615.00 | $594.00 | $576.50 | $581.00 |
CP先物 B | $605.00 | $584.00 | $568.50 | $573.00 |
米国先物 P | $462.39 | $438.94 | $426.57 | $423.19 |
【価格推移】
サウジCP推移表
2025年3月CPは以下の通りです($/MT)。
プロパン$615/MT(前月比-$20)、ブタン$605/MT(前月比-$20)
A/L (2月1日~28日平均、$79.277)の熱量換算比は、P: 94.6% (前月比-0.7%) 、B: 94.4% (前月比-0.7%)。
過去のCP推移はこちらをクリックしてください。